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軍艦島、給与袋展示 ユネスコのお墨付き獲得も韓国紙は批判

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長崎市の端島(通称・軍艦島)を含む世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を紹介する政府の産業遺産情報センター(東京都新宿区)の新たな展示を巡り、一部韓国メディアから「改悪だ」との声があがっている。新たに加わった兵庫県の朝鮮人徴用工の給料袋の展示などの取り組みについては、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会も評価したにも関わらず、「差別はなかったと歴史を歪曲(わいきょく)した」(ハンギョレ紙)などといわれなき批判を続けている。

センターは世界遺産委が2021年、徴用された朝鮮人労働者に関する説明が十分ではないとして「強い遺憾」を決議したことを受け、展示内容を追加した。先月中旬以降、韓国の報道陣も視察に訪れている。

韓国メディアが問題視しているのが、兵庫県の播磨造船所で従事した朝鮮人労働者の昭和17年6月~20年10月の給料袋だ。同造船所は産業革命遺産の構成施設ではないが、徴用労働者の実態が分かる一次資料といえる。給与額は17年が月額平均105円、20年は同220円超だった。20年の若手官僚の給与は75~100円程度とも説明している。

ハンギョレ紙(電子版)は9月21日、給料袋について「朝鮮人に対する差別はなかったと歴史を歪曲した展示」と指摘。中央日報(同)も同23日、「強制労働や朝鮮人に対する差別はなかったという内容を強調する」と批判した。

センターは戦時中の端島炭坑の作業内容を記録した「保安日誌」なども入手し、16年11月~19年11月に落盤事故などで内地出身者25人、半島出身者15人をはじめ計44人が犠牲になったことも新たに紹介している。これについてもハンギョレは「危険な労働環境に日本人も朝鮮人も違いはなかったと強調した」と報じた。一方、中央日報は「韓国の視点では十分でないが、努力も見られた」と一定の理解を示した。

センターの関係者は「出典の明らかな資料を展示している。判断は来館者に任せたいが、韓国メディアの批判は決して当たらない」と説明する。

給料袋をセンターに寄贈した元在日2世で令和元年に日本に帰化した清本清一さん(79)は産経新聞の取材に、いわゆる徴用工問題などについて「韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は良い方向に向かっている。日韓両国が未来志向で平和に向けて協力し合う関係であってほしい」と訴えた。(奥原慎平)

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