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上海で中国人女性に騙される日本人サラリーマンが増加中 中華料理店の罠にハメられて【元公安警察官の証言】

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中国がゼロコロナを解除したのは昨年12月8日。それ以来、上海で日本人を狙ったぼったくりが急増しているという。

「中国に赴任、もしくは長期出張している20代の日本人男性が被害に遭っています」

 と語るのは、勝丸氏。

「12月だけで上海の日本総領事に10件の相談がありました」

出会い系アプリ

 被害者はいずれも出会い系アプリを使っていた。

「出会い系アプリで知り合った中国人女性からランチに誘われるのです。高級中華料理店で食事をするのですが、2人で1万円か2万円だと思っていたら、7000元(約14万円)請求されたそうです」

 勝丸氏は、被害に遭った男性の一人から電話で話を聞いたという。

「私の知人の企業関係者から、『うちの社員が上海で被害に遭ったから、話を聞いて欲しい』と依頼があったんです」

 20代後半のその男性は、あるプロジェクトに参加するために上海に長期出張していた。

「中国語と英語が話せるエリート社員でした。彼は、中国でハニートラップに遭うと写真を撮られて、公安に踏み込まれることを良く知っていました。中華料理店なら、ハニートラップの恐れのあるカラオケクラブやガールズバーではないし、アプリで知り合ってランチするだけなら問題ないだろうと思ったそうです」

 現れた中国人女性は、かなりの美人だった。

「20代後半で物腰の柔らかい人だったそうです。メニューを見ると、料理の写真だけで価格は載っていなかったそうです。何品か料理を選び、2人でビールを1杯ずつ注文したといいます」

「払うしかないよ」

 女性は、流暢な英語で話しかけてきたという。

「彼女から『今、どんな仕事をなさっているの?差しさわりがあるんだったら、無理に答えなくてもいいわよ』。『どのくらい上海にいるの?あと1回くらい会える?』などと言われたそうです。言葉遣いが洗練されていて、すっかり信用してしまったようです」

 ところが、食事を終え、支払いをしようとすると……。

「男性は、せいぜい2万円くらいだろうと思っていたら、7000元(約14万円)請求されたのでビックリした。そんなバカなとクレームをつけると、店員がメニューを持ってきて、金額を示したそうです」

突然金額が入ったメニューを提示され不審に思ったという。

「しかし、女性から『もう、払うしかないよ』と言われ、もめるのも嫌なので渋々カードで支払ったそうです。女性は店と間違いなく繋がっていますね。ゼロコロナで長らく利益が出なかったので、ぼったくりで荒稼ぎしようというのでしょう」

 このぼったくり、もう一つのパターンがあるという。

「アプリで知り合った中国人女性から最初に喫茶店に誘われます。お茶を飲みながら長い事おしゃべりをして、夕方近くになると、今度は『お腹空かない? 食事に行かない?』と誘ってくるのです。お茶代は女性が払うそうです。引け目を感じた男性は、『食事は僕が持つから』となる。そして連れて行かれた中華料理店でぼったくりに遭うのです。金額は決まって7000元といいます」

 日本総領事館に相談したのは10人だけだが、実際の被害者はもっと多いという。

「既婚者は妻にバレるとまずいので、連絡しないでしょう。同様のぼったくりは、上海だけでなく広州市や香港でも起こっていて、日本人だけでなく他の外国人も被害に遭っています。コロナで苦境に立たされている飲食店が、今後も新たな手法で儲けようとするはずです」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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