
沖縄県・尖閣諸島周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)内に中国が「海上ブイ」を勝手に設置した問題で、岸田文雄政権の対応が問われている。ブイは7月に確認され、政府は中国側に抗議し即時撤去を求めたが、日本の手で撤去はしていない。フィリピンがEEZ内で中国に設置された浮遊障壁を撤去したのとは対照的だ。〝たかがブイ〟だと放置すれば、領土的野心を隠さない習近平政権に既成事実をつくられかねない。元海上保安官の一色正春氏は27日、X(旧ツイッター)で、フィリピンと対照的に撤去しない理由をめぐり、「海保や海自は行政組織なので政府の命や法令がなければ動くことができません 一番悔しいのは現場の人間です」と投稿した。
問題のブイは、尖閣諸島の魚釣島の北西約80キロ、EEZの境界線である日中中間線の日本側で確認された。ブイは直径約10メートルとされ、黄色でライトが付いており、「中国海洋観測浮標QF212」と書かれていた。